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海洋ロボ、水深4000メートル海域の国際競技に挑む

海洋研究開発機構など海底探査チーム「Team KUROSHIO」
 海洋研究開発機構など国内8機関からなる海底探査チーム「Team KUROSHIO」は18日、国際的な海底探査競技「シェル・オーシャン・ディスカバリー・Xプライズ」に使う自律型海中ロボット(AUV=写真)を公開した。共同代表である海洋機構の中谷武志技術研究員は「アジアで唯一勝ち残ったチームとして結果を残し期待に応えたい」と意気込みを語った。

 探査チームには東京大学や九州工業大学、海上・港湾・航空技術研究所、三井E&S造船、日本海洋事業、KDDI総合研究所、ヤマハ発動機も参加する。19―25日、同チームは海面から水深4100メートルまでの南海トラフなどの海域でAUVの試験潜航をする。

 11―12月の実海域競技では水深4000メートルの海域で24時間以内に最低250平方キロメートル以上の海底を調査し、海底標的を10枚撮影する。実施海域と各チームの実施時期は10月下旬以降にXプライズ財団が公表する。

 競技ルールとして、支援母船は使えず海域には人が立ち入れない。そのため自律型の海中ロボットによる探査となる。調査後48時間以内に海底地形図を作成し提出する。
日刊工業新聞 2018年9月19日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
石油業界は広域の海底地形調査が必要。AUVの無人探査技術で、調査の高速化と低コスト化が期待される。さらに研究者や企業が指定する海域をAUVで無人調査し、取得したデータを即日納品するビジネスにもつながる可能性がある。

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