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キリンが独自発見した“プラズマ乳酸菌”で確認した新機能

ウィルス感染予防や肌の老化抑制に続き…
キリンが独自発見した“プラズマ乳酸菌”で確認した新機能

プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)。プラズマ乳酸菌によって活性化する

 キリン(東京都中野区、磯崎功典社長、03・6837・7001)は、独自に発見したプラズマ乳酸菌について順天堂大学との共同研究により、激しい運動後に起こる免疫低下や疲労蓄積を防ぐ効果を確認した。これまでプラズマ乳酸菌にはインフルエンザなどのウイルス感染を防ぎ、肌の老化を抑制する機能を確認していた。キリンでは新たな機能を、今後の商品開発につなげる。

 激しい運動による体調悪化や疲労は経験的に知られており、過度なランニングなどにより風邪症候群やインフルエンザの罹患(りかん)リスクが高まるという報告もある。プラズマ乳酸菌はヒトの免疫細胞の司令塔であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を直接活性化する。キリンは同乳酸菌が運動後の免疫に及ぼす機能を確認するため、順天堂大とヒトによる試験で検証に取り組んだ。

 20歳以上の学生51人を対象に、プラズマ乳酸菌1000億個以上を含んだカプセルを摂取するグループと、これを含まないカプセルを摂取するグループに分け、13日間の継続摂取を行った。試験期間中に継続的に激しい運動を実施し、開始日と終了日に血液中のpDC活性を測定。併せて体調や疲労などの自覚症状を記録した。

 この結果、終了日のpDC活性化指標が、プラズマ乳酸菌摂取群で非摂取群に比べ有意に上昇したことを確認した。また、体調不良や疲労の自覚症状についても摂取群で有意に抑制されることが確認できたとしている。

 キリンは運動後など体にストレスがかかる場面で、プラズマ乳酸菌の摂取による健康維持機能の可能性があるとまとめている。

 
日刊工業新聞2018年7月14日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
キリンはグループ企業とともに、プラズマ乳酸菌による飲料、ヨーグルト、サプリメントを「iMUSE(イミューズ)」ブランドで商品を展開している。新たな機能の発見により、これを応用した商品の開発につなげる。 (日刊工業新聞社・井上雅太郎)

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