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沖縄電力、トンガに可倒式風車を納入

18年7月より現地で着工、運転操作や整備の研修も行う計画
 沖縄電力は離島で運用している可倒式風力発電設備をトンガ王国に納入する。グループ会社のプログレッシブエナジー(沖縄県中城村)がトンガ電力公社と契約した。グループ外への納入は初となる。貿易商社の西澤(大阪市中央区)と、日本の政府開発援助(ODA)事業として取り組む。

 2019年4月までに出力275キロワットの設備5基を首都のあるトンガタプ島に設置する。同設備は風車をワイヤでけん引して、立てたり寝かせたりできる。仏ベルニエ製の風車をベースにタワー部などを自社で設計、製造している。沖縄の4離島で7基を運用中。

 事前に倒すことで台風を避けて故障や事故を防ぐほか、設置や整備に大型クレーンを不要とする。離島や島しょ地域に共通する自然環境や課題に対応する設備として、沖縄電はこれまで海外での導入機会を探っていた。18年7月に現地で着工し、運転操作や整備の研修も行う計画。
日刊工業新聞2018年4月5日
永里善彦
永里善彦 Nagasato Yoshihiko
風が強すぎれば稼働を停止せざるを得ない風力発電、それでも離島のエネルギー源に風を活用したい。可倒式風力発電設備はこれを満たすものとして開発された。日本政府が再生エネルギーの活用に消極的との批判があるなかで、沖縄電力がODA案件としてトンガに可倒式風車を納入する。南の島を舞台にしたほのぼのとしたニュースで、エールを送りたい。

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