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リハビリにIoTやロボット活用広がる

三菱総研とモフが身体機能計測サービス
リハビリにIoTやロボット活用広がる

「ココロエAAD」(左)と「モフ測

 三菱総合研究所(東京都千代田区)は13日、Moff(モフ、東京都千代田区)と組み、IoT(モノのインターネット)を活用して、身体機能を計測するサービス「モフ測」を発売したと発表した。身体機能を手軽に“見える化”することでリハビリテーション効果を高められるという。

 端末とソフトなどがセットで、価格は初期費用・年間ライセンス料ともに20万円程度。医療機関や福祉施設など初年度100施設への導入を目指す。

 ウエアラブルセンサー「モフバンド」を手足に装着し、歩行やバランス、腕の動作、関節可動域を計測し、その結果を常時、タブレット端末画面に表示する。利用者のリハビリの意欲向上や病院内、医療と介護などの連携促進が期待できる。

日刊工業新聞2018年3月14日



安川電機、アシスト装置の適用拡大


 安川電機はロボット技術を使ったリハビリ用アシスト装置の適用範囲を広げる。これまでは脳梗塞など脳血管障害によるまひ患者の回復期のみが対象だった。これを維持期の患者にも利用できるようにする。3月から約1年間、リハビリ機能を持つ20以上の医療機関で実証実験や臨床研究を進めて科学的に検証する。

 安川電機はロボット技術を使った医療・福祉関連市場の開拓を2025年の長期ビジョンの重要施策に掲げている。当面はリハビリ向けに特化して事業を軌道に乗せる。

 脳梗塞の国内発症者数は年間約30万人。うち7割が65歳以上と高齢者が多い。発症から3―6カ月が回復期で、それ以降は維持期にあたる。まひが残る患者は推計で250万―300万人いるとされ、維持期の患者が大半となる。効果的なアシスト装置の提供で患者の自立支援にもつなげる考えだ。

 安川電機はまひ患者のリハビリ支援向けに得意のロボットやモーターの技術を応用したアシスト装置2種類を開発した。上肢のリハビリ装置「CoCoroe(ココロエ)AR2」と、歩行練習時に足首をアシストする「ココロエAAD」。

 ココロエAR2は適切なタイミングで振動や電気刺激を与えて肩や腕を動かすリハビリを助ける。食事や物を取るといった日常生活の動作を意識した訓練が可能となる。

 ココロエAADは歩行が困難な人の足首の曲げ伸ばしをモーターで補助して歩行訓練を支援する。個々の身体機能に応じて歩行リズムや速度を調整でき、利用者は歩行時の足関節の動きを体感できる。

 医療・福祉関連でのロボット技術では、サイバーダインのロボットスーツ「ハル」が普及しつつある。トヨタ自動車も歩行リハビリ支援ロボット「ウェルウォークWW―1000」を実用化している。

日刊工業新聞2018年2月19日

村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
65歳以上の人が、要介護となった要因の4割が脳卒中や関節疾患、骨折などで、リハビリが必要になる。楽しく簡単にリハビリを見える化することで、モチベーション向上にも効果を発揮しそうだ。

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