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NTN、再雇用の年収25%増へ。人事制度を改定

NTN、再雇用の年収25%増へ。人事制度を改定

写真はイメージ

 NTNは女性やシニア層の活躍推進も狙った働き方改革を進めるため、4月に人事制度を大幅改定する。60歳以上の定年再雇用者の給与体系を改め、年収ベースで現状より約25%引き上げる。在宅や短時間の勤務制度を導入し、育児、介護などと仕事を両立できる仕組みを整える。一律の給与体系を見直し、複数のキャリアコースを設け、働き方の選択肢も増やす。時代に即した就労環境整備で企業競争力を強化する。

 NTNが人事制度を抜本的に改定するのは約30年ぶり。現行制度では多様化する働き方のニーズに対応しきれないとし、約10年かけて労働組合と議論を重ねた。

 同社の定年は60歳、再雇用は65歳まで。定年延長を見据え4月から定年前の役職定年も一律1歳引き上げる。

 短時間勤務制度を導入し、育児などのライフイベントとの両立を支援。一部の事業所で在宅勤務制度も設ける。意識改革にも取り組み、管理職の女性割合を2020年度に現状比5ポイント増の10%を狙う。

 ワークライフバランス実現には長時間労働の是正が不可欠。業務の棚卸しを行い、必要業務の選別も進める。管理や間接、購買業務などはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)活用で生産性を向上する。

 非管理職のキャリアコースは三つ設ける。複数部門で活躍するGコース、特定分野の担い手のRコース、個人の能力に応じ報酬や労働条件などを設定する高度スキル専門職。GとRは入社2年目から毎年選択可能。このほか昇格要件に資格取得を加えて明確化し、評価基準は成果重視とする。
               

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
 財務省の調査では、人手不足を感じる企業の割合は70%強に達した。新規採用だけでは人材確保に限界がある。今いる従業員の「再戦力化」は欠かせない。

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