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【今週のリケジョ小町】『10年後に役立つもの』から『現在の人に役立つもの』へ

ブラザー工業株式会社 太田 晶子さん
**プリンターのハードウエア開発や品質保証
ブラザー工業でインクジェットプリンターのハードウエア開発や品質保証に携わる太田晶子さんは入社3年目。主に静電気が機器に与える影響を調べる試験を担当。目に見えないものが相手なので不具合の原因探しに手間取ることもあるが、「いつか設計者として開発の中心人物になりたい」と微笑む。

現在の人の役に立つことをしてみたい


「父が理系の仕事をしていた影響で、小さい頃からスライム作りや簡単なプログラミングなどで理科や数学に親しんでいました。進学した名古屋大学大学院工学研究科電子情報システム専攻修士課程では、デオキシリボ核酸(DNA)や細菌などの存在を判別する『バイオセンサー』を研究しました。大学院での研究対象は『10年後に役に立つもの』だったのですが、現在の人の役に立つことをしてみたいと思い、この業界に飛び込みました。今は主に静電気試験に携わっていますが、タッチパネルや電気回路など、何かで専門性を高めて自分だけの担当を持つことが目標です」

「現在の職場は、相談がしやすい協力的な環境だと思います。例えばソフトのことや機械のことなど、分からないことがあれば各部門の担当に質問をすると教えてくれます。質問を通して自分の知識を深めることもできるので、一石二鳥です」

何を求めているのか知る


「心がけているのは『ユーザーが何を求めているのか知る』ということです。実際に使われている現場からの声を聞くと、研究室では分からなかった改善点が見えてきます。例えば、最近だと『高速で高画質な印刷ができるようにしてほしい』『印刷時のモーター音を小さくしてほしい』という意見が印象的でした」

「休日はよく同僚たちと遊びに行きます。最近特に楽しかったのはサバイバルゲームとわかさぎ釣り。誘われれば何でも行きますよ」

   
日刊工業新聞2018年3月12日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
プリンターという身近な商材で今の人の役に立つ研究開発を進めています。

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