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就活スタート「逆境も順境もよし。与えられた環境を素直に生き抜く」(松下幸之助)

ある中小企業は「やる気を判断するのは簡単。採用は先着順」
 「東大生の比率が高すぎる」―。学生の人気就職先ランキングで常に上位に入る有名企業の経営者のぼやきを聞いた。東大批判ではなく、真意は「多様性の重視」という。

 別の経営者は学生の志望理由にため息をつく。「経営が安定しているから」が最多だったからだ。この企業は経営危機を乗り越え、世界的企業に成長した。現経営陣はその苦労を知るが「“入社時から大企業”の若手にどう危機感を伝えていくか」に腐心する。

 2019年卒業予定の大学生の就職活動が本格スタートした。企業側にすれば、エントリーシート(ES)の書き方から面接マナーまで情報武装して臨む学生の資質や人間性を短期間で見極めるのは容易ではない。

 “対策への対策”か、最近はES選考を廃止する企業も出てきた。面談時間を増やして人物本位の採用を目指す。一方、ある中小企業は「やる気を判断するのは簡単。採用は先着順」と明快だ。

 パナソニック創業者の松下幸之助は「逆境もよし。順境もよし。要はその与えられた環境を素直に生き抜くことである」との言葉を残した。就職はゴールではなく社会人人生のスタートライン。学生諸君には縁あって入社する会社で存分に力を発揮し、輝いてほしい。
日刊工業新聞2018年3月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
昨日、うちの記者とAI採用について結構長い時間話し合った。「働く」とはどういうことなのか。採用をテーマに日刊工業新聞でもニュースイッチでもさまざま角度で、これから記事を発信していきたい。

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