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「ステルス値上げ」はどこに隠れている?

総務省統計局は物価指数に反映させているが…
 「steal」(盗む)を語源とし、「こっそり」「隠密」を意味する英語が「ステルス」。初めて耳にしたのはレーダーの反射を抑え、敵に発見されるのを避けて飛行するステルス攻撃機だった。ひと昔以上も前のことだ。

 最近、さほど一般的ではないこの言葉に再会した。それが「ステルス値上げ」。消費者は価格変化に敏感なので、価格を維持しながら容量を減らす動きが食品・飲料で相次いでいる。

 疑問が湧くのは、消費者物価指数に対するこの“隠れ値上げ”の統計上の扱いだ。商品の価格が変わらないとすると、実質的に物価が上がったのに、指数は低めに算出されてしまうのではないか。

 総務省統計局によると、容量や重量のみを減らした場合、その分を計算して価格上昇分とするという。165グラムのジャムが150グラムに減れば「重量の比(150分の165)を新たに調査する150グラムの価格に乗じることで、実質値上げの影響を指数に反映させる」そうだ。

 ポテトチップスや洗剤などは、最初から単位重量・容量当たりの価格で調べているので問題ないという。ステルス値上げは見逃さないにもかかわらず、物価上昇率2%の政府目標を達成できないのはなぜなのだろうか?。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
3月1日から値上げする商品やサービスもたくさんあります。物価上昇率の目標を達成できない理由はステルスとは別だと思うが。ステルスに関していえば、外食産業も意外と多いような。飲み物薄めたり。

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