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外板材に不向きだった超ハイテン材がなぜ「N―BOX」に?

新日鉄住金とホンダで独自技術を共同開発
外板材に不向きだった超ハイテン材がなぜ「N―BOX」に?

春に発売予定のスロープ仕様(ホンダ公式ページより)

 新日鉄住金の超高張力鋼(超ハイテン)材2製品が、ホンダが2017年9月に発売した軽自動車「N―BOX」の新型に採用された。センターピラーの外板部品用に開発した超ハイテン材(1180メガパスカル級)と、車体前部の骨格部品用に開発した「高穴広げ型」の超ハイテン材(980メガパスカル級)で、いずれも自動車への採用は世界の鉄鋼メーカーで初めて。ともに車体の軽量化や高剛性化につながるという。

 従来、センターピラーの外板部品には、美観などの問題から軟鋼が使われ、超ハイテンを含むハイテンの使用は、内板部品に限られていた。ホンダなどと共同で改良を重ね、外板部品にも使える超ハイテンに仕上げた。

 一方の骨格部品には従来、成形のしやすさを示す「穴広げ性」が高い590メガパスカル級や780メガパスカル級のハイテンが使われていた。金属組織の改良で、980メガパスカル級の超ハイテンでも加工性が高まった。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
このほかハイテン部品を「T字」型に接合する際に、フランジ部分(出っ張り部分)を切れ目のない形に成形できる独自技術「連続フランジ工法」もN―BOX向け部材の成形に採用された。フランジに切れ目を入れる従来工法に比べ、接合部が変形しにくくなるという。

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