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パナソニックは何の会社か?自問自答する社長

創業100周年、家電が中核でなくなることへの喪失感
パナソニックは何の会社か?自問自答する社長

津賀一宏社長に聞く「柔軟に社会に『お役立ち』を提供」

 ―創業100年を迎えました。
 「記念すべき年だ。ただし事業の再スタートを切る気持ちで臨まないと、10―20年先ですら生き残れないだろう。四つの社内カンパニーのうち車載関連、家電関連の二つは成長の方向付けができた。今後は残り二つ(住宅関連、BツーB関連)の方向付けも明確にしていく」

 ―パナソニックとは何の会社か。
 「我々も自問自答している。家電が中核でなくなることへの“喪失感”をぬぐい切れていないのは事実だ。事業部制で強みを磨きながら柔軟に社会に『お役立ち』を提供し続ける会社でありたい」

 ―車載電池事業では中国メーカーの積極投資が目立ちます。
 「中国の国策でもあり把握している。ただ電気自動車(EV)市場はまだ始まったばかり。当社はどの自動車メーカーと組むかを明確にしながら生産能力を徐々に増やす。車載電池はグローバルな事業。日本というより、海外でどう戦うかがすべてだ」

 ―車載電池で米テスラに続きトヨタ自動車と協業を検討します。
 「詳細はこれからだが、新しい車載用角形電池は日本から(生産を)立ち上げる。米テスラと取り組む円筒形電池は生産が遅れており、テスラは18年3月までに週5000台の目標を週2500台に下方修正した。業績への影響はあるが、18年3月期はカバーして予想値を達成する見通しだ。将来は中国に(円筒形電池の生産を)展開する可能性もある」
(聞き手=米ラスベガス・杉本要)
日刊工業新聞2018年1月12日の記事から抜粋
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
津賀さんらしく率直な物言いですね。僕自身はまだまだ「家電の会社」だと思っていますが。パナソニックは三洋電機や旧松下電工などを取り込んでいったが、旧松下電器のDNAが今も強く残り、そして「門真本社」すべてにおいて勝っているからです。

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