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「フェリカ」はアジアへ

ソニー、ベトナムやインド、ミャンマーの交通市場を開拓
「フェリカ」はアジアへ

インドネシア・ジャカルタの鉄道で採用されている

 ソニーは独自の非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」のアジア展開を広げる。すでに導入したインドネシアに加え、ベトナムやインド、ミャンマーの交通市場を開拓する。現状1―2割の輸出比率を将来は3―4割に引き上げる方針。日本で利用されている電子マネー技術は大半がフェリカだが、海外では2次元コードやフェリカ以外の非接触式決済が主流。フェリカの海外展開拡大で“日本式電子マネー”が世界にはばたく。

 フェリカは処理スピードの速さや、安全性の高さ、通信中にカードを決済端末から離してもデータを損なわない信頼性などが強み。ただ、日本国内での利用がほとんどで「ガラパゴス化」の象徴とされることもあった。

 フェリカの海外展開は遅れていたが、9月に発売された米アップルのスマートフォン「iPhone8」以降のグローバルモデルに採用された。アンドロイド対応スマホにも採用され、海外でもフェリカを利用できる環境が整いつつある。

 海外での採用に向けて5―10年かけて、海外で流通しているカードへのフェリカチップ搭載など、現地のソフトウエアやサービスに合わせた提案をする。海外での認知度向上のため、訪日外国人に旅行の計画段階からフェリカ利用を提案する取り組みも検討する。例えば旅行前に海外でJR東日本の交通系ICカード「Suica(スイカ)」を入手できる仕組みの構築を想定。旅行会社などとの協業も視野に入れる。

 インドネシアでは18年度末をめどに、フェリカ搭載ICカードで鉄道やバスなどでの相互利用化が完了する予定。この実績を周辺国での市場開拓に生かす。
日刊工業新聞2017年12月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
かなり遅いような気がするが…。キャッシュレス社会の浸透によって、非接触決済方式の市場は拡大する見通しで、中国を中心に普及する電子マネー「アリペイ」のような2次元コードによる決済方式や、クレジットカードなどで採用されているフェリカとは別の非接触IC技術などみ台頭しつつあります。

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