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再稼働の原子炉は「PWR」ばかり。「BWR」はどうなった?

大飯原発、福井県知事が同意
 福井県の西川一誠知事は27日、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3・4号機の再稼働について同意を表明し、所管する世耕弘成経済産業相に電話で伝えた。これにより関電が目指す2017年度内の再稼働へ、大枠の条件が整った。

 西川知事は同日の定例会見の冒頭、「総合的に勘案し、再稼働に同意する」と表明。9月におおい町、福井県議会が同意の判断を出してから2カ月を経た。

 この点について西川知事は、県の専門委員会が進めたハードとソフト面からの安全性評価、使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外立地に向けた関電の動きなどを挙げた。

 2011年3月11日に起きた東日本大震災以降、定期検査時期を迎えた原発が順次停止し、12年5月に稼働は一度ゼロとなった。大飯3・4号機は民主党政権が夏場の電力需給などを懸念し、12年7月に再稼働させた実績がある。この時、福井県は独自の安全対策を政府に提案したという。13年9月の定検まで稼働した。
経済産業省資源エネルギー庁資料より
日刊工業新聞2017年11月28日
永里善彦
永里善彦 Nagasato Yoshihiko
これから日本でも電子機器、IoT等をツールとして、第4次産業革命が進展する。それにより質の良い安定した電力の需要が増加する。エネルギー基本計画の電源構成では2030年の原発は20-22%%。それには原発30基が必要だが、現在、稼働中は5基しかない。今回、関電大飯原発3・4号機が再稼働することになるが、いずれもPWR型の原子炉である。東日本に多いBWR型原子炉の再稼働も視野に原発の再稼働を加速しないと、ベースロード電源を地球温暖化の原因となる化石燃料による電力に頼らざるを得ない状況になり、第4次産業革命の進展に水を差すことになろう。

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