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日本が世界で戦える機能性繊維。セーレンがスポーツウエア向け新素材

吸湿発熱性高く来年度に売上高1億円を狙う
日本が世界で戦える機能性繊維。セーレンがスポーツウエア向け新素材

生地の気密性を高めたミッドレイヤー「サーモシャット」の製品イメージ

 セーレンは吸湿発熱や断熱保温に優れたスポーツウエア向け新素材を開発した。実際の重ね着用を想定し、インナー(ベースレイヤー)、ミドル(ミッドレイヤー)、アウター向け素材を用意しトータル提案する。2016年秋・冬シーズン向けを想定し、三つの新素材で16年度に売上高約1億円を目指す。

 吸湿発熱性に優れたベースレイヤー「ウーリーサーモ」は、天然ウールパウダーを繊維に固着させて高い吸湿性と発熱性を実現した。洗濯への耐久性にも優れる。生地の気密性を高めたミッドレイヤー「サーモシャット」は、繊維内部の気密性を高め、暖められた空気を衣服の外へ逃しにくい構造にした。「テクノブレン プレミアムサーモ」は、アウター用の防水系保温複合素材で、ベースフィルムの性能により高い透湿性を発揮できる。
日刊工業新聞2015年06月23日 建設・エネルギー・生活面
峯岸研一
峯岸研一 Minegishi Kenichi フリーランス
機能性繊維には三タイプがある。一つは機能性をそもそも原糸原メンが持っているタイプ、もう一つは原糸原メンの改質や機能材を練り込んだタイプ、そして染色の付帯加工において機能材を付与したタイプがある。機能製品は日本の繊維産業が世界で戦える数少ないコアコンピタンスでもある。吸湿発熱性素材は古くから提案されているが、各社が機能性を向上させながら消費者ニーズに応えることが重要だ。

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