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最新無線タグを導入した航空機部品工場の進化

川重の岐阜工場で本格稼働、生産の進捗管理しやすく
最新無線タグを導入した航空機部品工場の進化

写真は川重名古屋第一工場内の777向け胴体の製造ライン

 川崎重工業は航空機用部品製造ラインに対して、広範囲な空間をカバーできる無線識別(RFID)システムを導入した。航空宇宙カンパニー岐阜工場(岐阜県各務原市)の航空機胴体パネルの製造ラインで本稼働に入った。

 RFIDシステムは日本IBMの「モジックス・スター・システム」。工場内に設置した多数のアンテナを経由して、部品に取り付けたタグからデータを収集し、生産の進捗(しんちょく)管理や所在管理などを支援する。

 送信機の座標や受電電波の強度、入射角から、タグの位置を測定し位置情報を収集する。送信機と受信機が分離しているため、送信機の追加で簡単に拡張でき、電源や配線の拡張コストも低減できる。

 モジックス・スター・システムは最大2万5000平方メートルという広範囲な空間をカバーでき、タグを付けた商品や人などを200メートル以上離れた遠距離でも感知できる。

 タグに電力を供給する機能(送信機)とタグからのデータを読み取る機能(受信機)を独立した装置に分けているため、システム単位で拡張する必要がある一般的なRFIDと比べて柔軟かつ安価だ。
日刊工業新聞2017年11月21日
長塚崇寛
長塚崇寛 Nagatsuka Takahiro 編集局ニュースセンター デスク
航空宇宙カンパニーでは部品などの所在に関するデータ収集について、位置情報の測定の確実性に加え、システム拡張・変更にも柔軟かつ安価に対応できることや、電波干渉が発生しないことなどを条件にシステムを選んだという。

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