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入社してたばこを始めたJT最年少社長の素顔

寺畠氏が来年1月1日付で就任へ。「加熱式たばこをしっかり進めていく」
入社してたばこを始めたJT最年少社長の素顔

握手する寺畠次期社長(右)と小泉社長

 日本たばこ産業(JT)は21日、小泉光臣社長(60)の後任に、海外事業統括会社JTインターナショナル(JTI、スイス・ジュネーブ)の寺畠正道副社長(51)を昇格させる人事を内定したと発表した。1985年の民営化以降、最年少の若さで社長就任となる。寺畠氏は2018年1月1日付で執行役員社長に就任し、3月27日付で代表権を持つ社長に就く。小泉氏は3月27日付で代表取締役を退任する。寺畠氏は21日の会見で「小泉社長が推進してきたグローバル経営を一層、強化したい」と抱負を述べた。

 小泉社長は後任に寺畠氏を選んだ理由について「グローバルなセンスを持ち、JTグループを中長期的に成長させる方策について考えが一致した」と説明した。寺畠氏は海外事業に長く携わっただけでなく、国内で経営企画部門を歩み、非たばこの食品事業も担当。国内たばこ市場は健康志向を背景に縮小傾向にあり、加熱式たばこなど新事業への対応遅れも指摘されている。

 寺畠氏は「世界では未開拓の市場が多くある」とし、国内は「加熱式たばこをしっかり進めていく」と語った。

次期社長はどんな人?


 若い就任に不安がないかとの問いに「海外では自分より年齢が若い社長も大勢いる。年齢は特に意識していない」と語り、グローバル経営を推し進めていくと強調する。ビジネス環境が急速に変化していることを挙げ「プランを立てても状況がころころ変わる。変化に柔軟に対応できるようにしないと」と、先を見据える。

 海外経験から相手の話をよく聞くことと、論理的思考の大切さを学んだ。仕事ではフェアと透明性、謙虚さの三つを心がけ「この気持ちは今後も変わらない」と話す。縮小する国内たばこ市場については「しっかりシェアにこだわり、ブランド投資をする」とし、加熱式たばこは「動きはまだ始まったばかり。十分、巻き返せる」と余裕も見せる。

 釣りやゴルフを楽しむアウトドア派。たばこは「JTに入社して始めた」。好きな銘柄はメビウス。
【略歴】寺畠正道氏 89年(平元)京大工卒、同年JT入社。11年執行役員、13年取締役。同年JTI副社長。広島県出身。

(文=嶋田歩)
日刊工業新聞2017年11月22日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
50代前半のトップはグローバルでみれば普通。ただ「若さ」が象徴になってはいけない。次期社長が具体的に何をやるか、まずは期待して見ていきたい。

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