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牛の発情を検知、メールで通知する設置型システム発売

SEC、4頭分を検知できる1セットで300万円程度
牛の発情を検知、メールで通知する設置型システム発売

北海道更別村の牧場で乳牛がいる牛舎に設けたシステム

【札幌】エスイーシー(SEC、北海道函館市、永井英夫社長、0138・22・7188)は、牛の発情を検知するシステムを2018年春に発売する。価格は4頭分を検知できる1セットで300万円程度を想定する。北海道更別町の畜産農家などで実施している実証実験を踏まえて、初年度30セットの販売を目指す。

 同システムは牛舎内につなぎ飼いされた乳牛や肉牛向けに、赤外線センサーや集音マイクなどを組み合わせたユニットで構成する。牛舎の上部に装置を設け、牛の鳴き声や立っている時間などを検知し、集まったデータを分析して発情を管理者の酪農家や獣医師らへメールで通知する。

 従来の検知システムは牛に歩数計や体温計などを装着するものが多かった。装着の手間や装置を取り付けられた牛の負担、牛の動きで装置が破損してしまう懸念もあった。

 牛の発情は平均21日周期で、人工授精するには受胎できる時間の18時間以内で対応しなくてはならないという。同システムは、迅速・確実に発情を知ることができるので人工授精などへの対応も円滑にできるとみる。

 今後、牛舎内の上部に設けた装置を小型化し、レールを設けるなど、牛舎内を手軽に移動できるように工夫を施す。

 IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を生かし、出産時などまで対応できるシステムへの機能拡大も目指す。
日刊工業新聞2017年11月15日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
農業分野でのIoT活用はしばしば記事になるようになってきましたが、畜産や漁業分野ではまだまだ事例が少ない状況です。

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