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「宇宙空間で睡眠をとる姿勢に近い」気持ちよさ追求した最先端の浴槽を中国で

TOTO、欧米・中東も視野
「宇宙空間で睡眠をとる姿勢に近い」気持ちよさ追求した最先端の浴槽を中国で

中国で発売する大型浴槽「フローテーション・タブ」

 TOTOは生体力学や脳科学に基づいて開発した最先端の大型浴槽を11月、世界に先駆けて中国市場へ投入する。「入浴の気持ちよさ」を科学的に解明。“独特の浮遊感”と安定感を両立した。「日本の入浴文化を発信する第一歩」(同社)としても位置付け、今後は欧米や中東地域での販売も視野に入れる。

 発売する「フローテーション・タブ」はゆりかごのようなデザインが特徴で、ヘッドレストに頭を載せ、臀部(でんぶ)を軽く底面に触れさせる姿勢で入浴する。宇宙飛行士が宇宙空間で睡眠をとる姿勢に近いという。

 身体に負担がかからない上、ヘッドレスト部の吐水口からの“かけ湯”で身体が暖まり、長時間リラックスしてつかれる。寝そべって入浴する形のため湯量も同じサイズの浴槽に比べて6割ほどで済む。生産は南京工場が担当する。

 価格は9万4000元(約160万円)を予定。一般家庭にとどまらず高級ホテルなどにも採用を目指す。日本で8月に発売した温水洗浄便座「ウォシュレット」一体形便器の最上位機種「ネオレストNX」を、同時期に中国市場に投入。水栓金具や洗面台とも組み合わせて訴求する。

 フローテーション・タブは3月にドイツで開かれた国際見本市「ISH」で初披露。5月には中国・上海での展示会にも出展し、いずれも大きな反響を得た。訪日外国人客数が2000万人を突破する中、日本の温泉文化に興味を持つ外国人も増えている。独自の技術に裏付けられた「癒やし」を武器に新たな市場を開拓する。
日刊工業新聞017年10月27日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
中国の一般家庭は欧米のようにシャワーしかない家も多く、湯船につかる習慣もあまりないようです。高級湯船はどの程度受け入れられるのでしょう。

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