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日ハムが「ドライな球団」に

優勝争い脱落、大リーグ流で高年俸選手
日ハムが「ドライな球団」に

日本ハムの本拠地・札幌ドーム

 プロ野球の優勝争いが佳境に入ったが、今季、個人的に驚かされたのは北海道日本ハムファイターズである。昨年の日本一球団が一転、低迷したからではない。

 優勝やクライマックスシリーズ進出の芽がなくなった途端、高年俸の主力選手を他球団に放出。早々に年俸の安い若手に機会を与える方針に切り替えた。米国の大リーグではよくある光景で、日本もドライな球団経営になってきたのかと考えさせられた。

 新球場構想にも驚いた。米国のボールパーク構想をお手本に、キャンプ場や物販・飲食店街、草野球グラウンドまで盛り込むらしい。家族連れで気軽に足を運べる新しい空間を目指すそうだ。

 巨額の建設費が必要で、資金回収となるとさらに数十年単位の期間がかかるだろう。それでも多額の使用料が負担になっている今の球場を使う赤字体質から脱却できる。球団経営の持続的成長を目指す中長期構想と言える。

 一般企業に置き換えると、短期で業績が上がらない場合、若手登用や新陳代謝は欠かせない。時にはドライな判断も必要。中長期では会社の魅力や競争力を高めるため、理想を掲げることも大事だ。日本ハムに倣い、数年後を見据えたチーム作りを進めてみてはいかが。
日刊工業新聞2017年9月13日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
シーズン終了後になって戦力外通告を受けるより、このタイミングで放出された方が選手のためにもなる。ドライというより健全な経営判断ではないか。

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