「ハラール認証ないとムスリムに食事を提供できない」は誤解!人気一位の店は取得せず

製品が売れるかどうかマーケティングが先

 イスラム教の戒律に沿った「ハラール」という言葉が日本で広がってから数年が経過した。今やハラールの認証機関は日本に100団体以上はあるとの見方がある。一方、専門家からは、ハラールに対応するには「必ずしも認証が必要なわけではない」との指摘も出ている。その理由を探った。

 7月下旬に、都内で開かれた日本・東京商工会議所主催のムスリム(イスラム教徒)観光客対応セミナー。講師として登壇したハラールメディアジャパン(HMJ、東京都渋谷区)の守護彰浩代表取締役は、参加者にこう語りかけた。「ハラール認証について、日本では法的拘束力はありません」。認証を取らないとムスリムに食事などを提供できないとの誤解について言及した。

 実際、データでもそれが表れている。HMJがインターネットで日本におけるハラール対応レストランの人気ランキングを調べたところ、2015年は上位10店舗中、9店舗がハラール認証を取得。しかし直近の17年では10店舗中、5店舗しかハラール認証を取得していなかった。しかも、17年に1位の店は認証店ではなかったという。

 「認証は一つの手段。取らなくても、原材料の表示にアルコールや豚肉不使用などと適切に情報を開示していれば対応できる」と、守護氏は強調する。

 ムスリム市場への輸出支援に取り組む日本貿易振興機構(ジェトロ)は、「まず認証ありきではない。製品が売れるかどうかマーケティングが先」(籠瀬明佳農林水産・食品課課長代理)と話す。

 輸出の場合は、日本でムスリムを受け入れるインバウンドとは異なり、輸出先ごとに決められた認証機関がある。「ハラール製品」として輸出するなら、決められた認証機関の認証が必要だ。

 例えばマレーシアならJAKIM(マレーシア・イスラーム開発庁)が認めた認証機関があり、そこで認証を得る必要がある。ジェトロの籠瀬氏は輸出について、「ハラール認証を得るには生産ラインを分けたり、別の原材料に切り替えたり、コストがかかる」と語る。

 国内だけでハラールに対応する飲食店などについては、食材の適正な情報開示やトレーサビリティーが重要と言えそうだ。
(大城麻木乃)

日刊工業新聞2017年9月14日

昆 梓紗

昆 梓紗
09月14日
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「ハラール」の認識が浸透してきた今では、ムスリムの人々に情報を届けることや、マーケティングが重要になってきそうです。

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