期待高まる新型iPhone、気になる国内キャリアの値引き策は?

実質支払額が6万―8万円に膨らむことも。「携帯キャリアの施策次第」

 米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新モデルが来週にも発売され、アイフォーン商戦が始まる。2017年はディスプレーに有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネルを一部採用するなど機能が大きく変わる一方、価格上昇の懸念も浮上している。そのためNTTドコモなど携帯電話大手による端末の値付けと在庫の手当てが注目される。携帯大手は新モデルへの買い替えを促す料金プランや割引への適用を進め、既存顧客の維持につなげる。

 新モデルの特徴の一つとされるのが有機ELディスプレーだ。液晶に比べて色の表現が鮮明になる。NTTドコモなどが夏モデルで発売した韓国サムスン電子の「ギャラクシーS8」にも有機ELが搭載され、携帯電話販売店では「きれいな画面が人気で、足元では売れ筋商品」という。

 そのため携帯販売店ではアイフォーンの新モデルへの期待が高まっているが、販売戦略の大きな問題として価格設定がある。有機EL仕様の端末価格が11万―13万円との報道があるように、価格が上昇する可能性がある。携帯大手の端末割引サービス「月々サポート」などを入れても実質支払額が6万―8万円に膨らむことも想定される。

 これは16年に発売された記憶容量128ギガバイト(ギガは10億)のアイフォーン7の価格4万円程度に比べ、1・5倍から2倍程度になる。そのため「携帯キャリアの施策次第」(携帯販売店)でどの程度、価格が緩和するかが売れ行きを左右しそうだ。

 在庫確保の問題もある。16年はアイフォーンSEや同7で在庫薄の状態が続き、予約キャンセルが生じるなど商機を失った経緯がある。総務省や公正取引委員会の施策によるアップルへのけん制から供給を抑制しているのか、在庫を持ちたくない携帯大手の発注によるものかは不透明だが、需給のミスマッチの解消は引き続き課題となる。

 さらに、端末とサービスを分離した料金プランに新型アイフォーンを適用させるかどうかも利用者にとっては気がかりだ。ドコモは毎月1500円を利用料金から割り引くサービス「ドコモウィズ」を対象外にしたが、KDDIはデータ通信の利用料に応じて料金が変動する「ピタットプラン」への適用について協議中という。料金プランの適用により通信料金が安くなれば、ユーザーが動く可能性もある。
(文=清水耕一郎)

日刊工業新聞2017年9月12日

日刊工業新聞 記者

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09月13日
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スマホ販売をめぐっては総務省による実質0円販売やキャッシュバックの撤廃により、携帯大手の間の乗り換えは一時に比べ終息している。そのため、携帯各社とも機種変更など前評判の高い新モデルへの買い替えを促す施策を講じ、顧客の囲い込みを加速していく考えだ。
(日刊工業新聞第一産業部・清水耕一郎)

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