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NEDOのAIベンチャーコンテストで採択された企業は?

最優秀賞の「Hmcomm」には開発資金5000万円を提供
NEDOのAIベンチャーコンテストで採択された企業は?

採択された研究テーマの代表者らとNEDOの関根久プロジェクトマネージャー(右から4人目)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6日、人工知能(AI)技術の社会実装のために音声認識AIや問診AIなどの研究テーマを6件採択したと発表した。AIベンチャーをコンテストで選んで研究予算を提供する。大企業や大学とのマッチング支援などで経営もサポートする。コンテストでベンチャーの資金獲得の機会を増やし、経営支援と組み合わせることでAIの社会実装を加速させる。

 音声認識AIを手がけるHmcomm(東京都港区)をコンテストの最優秀賞に選定。開発資金5000万円を提供し、2年間で多言語の音声認識AIを開発させる。

 優秀賞、審査員特別賞の両賞をARアドバンストテクノロジ(東京都渋谷区)などが受賞した。同社は島津製作所と共同で問診し診療科を推薦するAIを開発する。開発予算は3400万円。帝京大学医学部付属病院から匿名加工した医療情報の提供を受ける。

 このほか、SOINN(東京都小平市)とBEDORE(東京都文京区)が両賞を受賞した。

 また、審査委員特別賞にカメラ映像から不審者や万引を検出するAIを開発するアースアイズ(東京都中央区)と、シナモン(東京都渋谷区)が選ばれた。
日刊工業新聞2017年9月5日
川上景一
川上景一 Kawakami Keiichi JEITA 常務理事
 ベンチャーでチャレンジする土壌が、漸く日本でも生まれつつあると感じる。特に、AIやIoTの領域で盛んなのは心強い。NEDOのコンテストにも57件の応募があり、その中から記事の6件が採択されたそうだ。採択されたことを活かして、新たな市場を切り拓いていただきたい。6社のうち、審査員特別賞のシナモンは、10月開催のCEATECJAPAN 2017で「AI-人工知能パビリオン」に出展する。AIでバックオフィスを改革し、生産性を上げることは、どの企業にとっても大きな課題なので、幕張メッセの会場で、直接、説明を聞きたいと思っている。

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