写真共有アプリのAR、ロボットに応用進む

日本のKudanは「SLAM」技術をスマホに搭載

 米フェイスブックの「インスタグラム」や韓国スノー・コーポレーションの「スノー」など写真を加工・共有するアプリケーションが人気だ。そうしたアプリでは、ユーザーの楽しさを演出する技術としてAR(拡張現実)が注目されている。ARはスマートフォンのカメラでも精度良く位置を把握する技術が必要だ。ロボットにも応用が進み市場が拡大する。

 写真や動画を扱うアプリのAR機能を拡充する動きが活発になってきた。フェイスブックはインスタグラムやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「フェイスブック」でのAR強化をうたう。

 米スナップの写真共有アプリ「スナップチャット」も同様だ。米アップルはアプリ開発業者がARを使いやすくするため、ARのソフトウエア開発キット(SDK)を公開した。米グーグルも8月にSDKのプレビュー版に開発者がアクセスできるようにした。

 スマホにARを利用しやすくなることで、写真関連だけでなく、動画など幅広いアプリでARが活用されそうだ。化粧品会社がスマホで化粧後の顔を見せて化粧品を販売するアプリを出している。

 ARを使って撮影した写真を加工して見栄えを良くする、耳やヒゲ、眼鏡をつけて演出する、といった機能はもはや当たり前に使われている。より使い勝手を良くしたり面白さを加えたりするには一段と高度なAR技術が不可欠だ。

 ARはスマホのカメラに写った対象物の位置を正確に把握する技術が核となる。顔の画像にヒゲをつけるにも、ズレていては面白さが半減してしまう。一般的なARは、対象物の形状ではなく、特徴点をいくつか抽出して位置を把握している。

 今後は自己位置推定と環境地図作製を同時に行う「SLAM」技術のARへの応用が進む。SLAMはカメラを搭載して自律走行するロボットが動きながら周辺の環境を把握して地図を作る、といったロボットの「目」としても期待される技術だ。だが、これまでは深度センサーなど大がかりなカメラ機器やコンピューターが必要だった。

 課題を克服してスマホに搭載できる技術にしたのがKudan(新宿区)だ。スマホ内蔵カメラでも対象物の位置を奥行きも含め高精度に把握する。LINEとは6月に業務提携し、同社のカメラアプリ「B612」に採用された。世界的な大企業もKudanのSLAM技術に注目しているという。
(文=石橋弘彰)

日刊工業新聞2017年9月6日

石橋 弘彰

石橋 弘彰
09月06日
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ARの世界市場は、2021年に830億ドル(約9兆1000億円)に成長する見通し。飛行ロボット(ドローン)や自動運転関連など幅広い分野への普及が見込まれる。

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