激動の自動車部品、業界団体トップは何を思う

志藤部工会会長インタビュー「ごく自然な流れで連携進む」

 自動車部品メーカーが転換期を迎えている。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉など事業環境の先行きは不透明感が漂い、電動化や自動運転など新分野への対応も待ったなしの状況だ。日本の部品メーカーはどう勝ち抜くのか。日本自動車部品工業会の志藤昭彦会長(ヨロズ会長)に聞いた。

 ―米国車市場が減速していますが、部品メーカーへ影響は。
 「確かに昨年でピークアウトし、今年は前年実績と比べて若干台数が減るだろう。ただ米国の景気そのものは底堅く推移し、完全失業率も低水準を維持している。いきなり消費が大きく落ち込むことはないだろう」

 ―電動化や自動運転が車開発の新たな競争軸になり、部品メーカーの事業環境が大きく変化しています。
 「車メーカーが電動化や自動運転など新分野に経営資源を割かざるを得ない分、これまで車メーカー主導でやってきた開発を部品メーカーに任せる動きが出てきている。部品メーカー同士で技術のすりあわせをしていかなければならない。ごく自然な流れでメーカー間の連携が進んでいくだろう」

 ―日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)交渉で大枠合意しました。
 「ほぼ全ての車部品の関税が即時撤廃されることになり、欧州向け輸出部品の増加や現地生産品のコスト低減による競争力強化が期待できる。部品メーカーは世界中にサプライチェーンを築いて事業展開しており、自由貿易の拡大は重要な課題だ」

 ―NAFTAの再交渉をどう見ますか。
 「具体的な内容がまだ決まっていないので今は交渉の行方を注視するしかない。部工会では今年NAFTAに関する多様な情報を提供する研究会を立ち上げて活動を始めた。会員間での情報共有や意見交換の場としても活用してもらいたい」

 ―下請け取引適正化に向けた自主行動計画を策定しました。2次、3次以下のサプライヤーまでどう浸透させていきますか。
 「9月から自主行動計画の進捗(しんちょく)を把握するため会員企業へのヒアリング調査を行う。好事例があれば共有していきたい。車メーカーから下請け各社を含めたサプライチェーン全体で課題を共有して、取引の適正化につなげていくことが重要だ」
(聞き手=下氏香菜子)

日刊工業新聞2017年8月31日

日刊工業新聞 記者

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09月04日
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自動車部品業界で大型再編が相次いでいる。特に海外のメガサプライヤーは有力な技術を持つ企業を矢継ぎ早に傘下に収めて部品をシステム化し提案力に磨きをかけている印象だ。100年に1度の変革期に入った今、日本勢も遅れをとらず“仲間づくり”を進めて競争力を高めることが勝ち残りに欠かせない。
(日刊工業新聞第一産業部・下氏香菜子)

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