日欧のトラック、インドネシア市場でガチンコ勝負

日系がシェア9割以上、成長力を期待し欧州勢が大攻勢

 【ジャカルタ=尾内淳憲】日欧の商用車メーカー各社が、インドネシア市場を重視する姿勢を鮮明にしている。日系メーカーは同国を日本に次ぐ戦略市場と位置付けて、商品群の拡充を急ぐ。欧州勢も日系メーカーの牙城となっているインドネシアを攻略しようと、新型車両の投入に動きだした。同国の2016年の名目国内総生産(GDP)は9323億ドルで、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の約37%を構成する。各社とも巨大市場での足場固めを進める。

 16年にインドネシアを含む新興国向け小型トラックを投入した、いすゞ自動車は中型でも展開していく方針。小型についても順次車型展開する予定だ。

 UDトラックスは今月に開かれた「インドネシア国際オートショー」で、新興国向け小型の新型「クーザー」を公開、18年中の発売を想定する。親会社のスウェーデン・ボルボと共同開発した中型「クローナー」は今後、インドネシアを含むアジアやアフリカなどで販売を計画する。

 日系各社がインドネシアで攻勢をかける背景には、各社の圧倒的なブランド力と同国の市場が堅調に成長していることがある。インドネシアでの日系メーカーのシェアは90%以上で、市場を深耕しやすい環境にある。

 公共投資による建設需要などが旺盛で市場自体も伸長。大・中・小型をインドネシアで販売する日野自動車は16年度に大・中型で前年度比11%増の約1万2000台、小型で同23%増の約1万2200台となった。

 17年4―6月期は前年同期比16%増となり、木村巌常務役員は「(市場成長は)今後も続く」とみる。三菱ふそうトラック・バスも得意の小型を中心に17年の販売は16年比42%増の約4万台になると見込む。

 一方、欧州の商用車メーカーは日系メーカーによるシェア拡大に手をこまねいているわけではない。三菱ふそうと同社の親会社である独ダイムラーのインド生産子会社(DICV)が協業するDTAは29日、メルセデス・ベンツの大型トラックの新型「Axor(アクサー)2528C」をインドネシアで生産すると発表。車両総重量が25トンのダンプカータイプで、トランスミッションは9速手動変速機(MT)とした。

 DICVのインド工場で生産した部品をインドネシアの工場で組み立てる。従来は完成車を輸入していたが、ノックダウン生産にすることで車両価格を抑えた。

 ダイムラーは西ジャワ州のインドネシア工場に20億円以上を投じ、商用車専用の組立工場(敷地面積約42ヘクタール)を建設した。年間の生産能力は最大4500台。DICVのエリック・ネスレハーフ社長は「(インドネシア工場は)DTAの一員となった。ここで満足できる価値を提供していく」と強調した。中型のノックダウン生産もしていく方針だ。

日刊工業新聞2017年8月30日

日刊工業新聞 記者

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08月31日
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欧州勢もインドネシアに本格的にとりかかることで今後、同国でのシェア争いは激しさを増すことになる。
(日刊工業新聞第一産業部・尾内淳憲)

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