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お椀で食べるカップヌードル、日清がシニア向け開拓

1食の量を約30グラムに減らし3食パック、価格も引き下げ
 日清食品(東京都新宿区、安藤徳隆社長)は高齢化の進行をにらみ、シニア市場の開拓を加速する。主力2ブランドの「カップヌードル」「チキンラーメン」で、高齢者向けに量を減らした3食パック商品を9月11日に発売する。丼ではなく、おわんに入るサイズをコンセプトとし、熱湯を注ぐだけで簡単調理できる特徴をアピール。2ブランドとも高齢者に知名度が高い強みを生かして、新需要を掘り起こす。

 日清食品にとって、シニア向け商品は2016年発売した、ふかひれスープ味などの「カップヌードルリッチシリーズ」に続く、第2弾。

 今回の新商品は“お椀で食べる”カップヌードルやチキンラーメンのコンセプトのもと、1食の量を約30グラムに減らした。子どもが成人し、単身や2人暮らしの高齢者が多い実情を踏まえ、全体のサイズも一般ファミリー向けの5食パックでなく、3食パックにした。

 その分、価格が下がり、消費税抜きで230円となり、年金生活の高齢者が買いやすくなる。

 カップヌードルは17年で発売46年、チキンラーメンは59年になる。子どもの頃から味を覚えて育っているのが強みで「60代はテレビ宣伝しなくとも、カップヌードルを選んで食べてくれる」(安藤社長)ありがたい存在だ。高齢者向けに市場深耕する必要があると判断した。

 16年発売のリッチヌードルは舌の肥えた高齢者向けに開発、実売価格が一般カップヌードルより約50円高いが「売り上げは好調」(同)という。女性向けの低カロリー商品も発売している。
日刊工業新聞2017年8月29日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
年金生活の高齢者が買いやすくなる?ほんとかいな…。

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