シビック“男前3兄弟”、最もモテ男は?

事前受注の半分がハッチバックモデル

【ホンダ 本田技術研究所四輪R&Dセンター 第11技術開発室第7ブロック 主任研究員・松本英樹氏】

 1972年の発売以来、5月末までで2420万台を発売したホンダ「シビック」シリーズ。ホンダの世界累計生産台数のおよそ4分の1を占める、ホンダの代表車種だ。

 シビックはCセグメントというカテゴリーに属する乗用車だ。国内外の多くの自動車メーカーがこのセグメントの車を作っていて、競争が激しい。

 そんな中、時代を先駆けるホンダの代表車種として、そして世界170の国と地域で販売する世界戦略車として、Cセグメントをリードする車にしたいとの思いで、開発に取り組んだ。

 9月29日に発売する今回のシビックは、世界的には10代目。日本では約6年ぶりの投入であった。お客さまに気に入っていただくべく「男前な、かっこいい車」を目指した。

 「男前」の現れとして徹底して走りにこだわった。「セダン」「ハッチバック」「タイプR」の3タイプのプラットフォームを共通化した。

 先代まではタイプごとに専用プラットフォームを使っていたが、共通化することで走りを求めるユーザー向けのタイプRと似せた作りをセダンとハッチバックにも適用でき、走りの進化につながった。

 共通化したのはプラットフォームだけではない。これまでタイプごとに分かれていた開発チームも一つにした。一つにすることで開発と投資の効率化、性能アップが期待できる。

 だが、チームの所帯が大きくなり、統率は取りづらくなる。そこで、チーム全体の行動指針にも「男前」という言葉を選んだ。性能やデザイン、商品性はもちろん、開発に携わるメンバー全員の行動やメンタリティは「本当に男前か」を突き詰めた。各メンバーに「男前」な心意気を大事に、開発してもらった。

 パワートレーンは、セダンが排気量1500ccクラスの無段変速機(CVT)を採用、ハッチバックも同排気量のCVTタイプと6速マニュアルを用意した。

 タイプRは排気量2000ccクラスの6速マニュアルとした。ハッチバックモデルでマニュアル車を設定したのも、普段使いだけでなく、サーキットでの走行シーンなどを意識したことの現れだ。

 7月下旬現在で約6300台の事前受注を頂いた。その半分がハッチバックモデルで、そのうちマニュアル車が35%に及んだ。国内のオートマチック車の普及状況は9割以上。

 そんな中、マニュアル車の受注が3割を超えたことはニーズの高さと、“シビックでお客さまを喜ばせたい”と誓って開発してきたことが報われたようで、うれしかった。

日刊工業新聞2017年8月29日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
08月29日
この記事のファシリテーター

シビックといえば、新型が世に登場するたび、多くの注目を集め続けたホンダの屋台骨。日本に先立ち、15年に北米で、16年に中国で発売をして、製品に磨きをかけてきた。昨今、日本でのホンダには「N―BOX」や「フィット」などに代表されるように、軽と小型車のメーカーというイメージが強い。シビックで、かつてのスポーティーな車を作る会社というイメージを取り戻せるか。“男前”がどこまで認められるか、注目したい。
(日刊工業新聞第一産業部・山田諒)

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。