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あのカンロ飴が大人向け高級グミに挑む

カンロ・三須社長に聞く「フランスの高級菓子をイメージしている」
 カンロは、酒を配合した高級グミ「マチュアグミ」を、東京・大阪の同社直営店「ヒトツブカンロ東京GRANSTA店」「ヒトツブカンロ大阪LUCUA1100店」で販売している。コニャック味にレミーマルタンを使用するなど、高品質にこだわった商品。三須和泰社長にそのコンセプトなどを聞いた。

 ―どのような工夫を。
 「グミに合う味わいを選ぼうと、オレンジキュラソーやカカオリキュールといった比較的有名な約200種の酒との相性を調べた。その中から、“熟成した、大人の”を意味するマチュア(mature)の形容が似合う、コニャック、アマレット、それに赤ワイン使用のヴィノロッソを選び、それぞれを添加した3種の味をそろえた」

 「一般流通のグミはゼラチン使用のものが多いが、マチュアグミはペクチングミを用いている。これに加え、アルコール分を1%未満としていることもプラスに働いており、より柔らかく、香りが広がりやすい。楽しめる食感に仕上がっている」

 ―コンセプト通りに出来あがりましたか。
 「歯ざわり、香り、デザインにこだわり、フランスの高級菓子をイメージしている。9粒入り1400円(消費税込み)と高価格設定に位置付けたことでギフトとしての“高級菓子”のコンセプトも実現した」

 ―大人向けの商品にした理由は。
 「グミは日本に市場参入して約40年程度と歴史が浅い菓子。若年層と違い、シニア層は食べ慣れていない。マチュアグミの発売はシニア層向けの需要開拓の機会と捉えている」
三須社長

(聞き手=茂木朝日)
日刊工業新聞2017年8月25日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
三須社長は筆頭株主の三菱商事出身で食品事業に精通する。中期経営計画では2017―21年12月期までの5年間で60億円を投じ、成長分野のグミ事業の売上高を倍増させ、キャンディー分野でナンバーワン企業を目指すことなどを柱にしている。カンロ飴はたまに口にするが、今度、グミも手にとってみよう。

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