日本人に合ったトレーニング機器、受注堅調

千葉のザオバ、海外市場開拓も視野

 ザオバ(千葉市中央区、髙田敏社長)は、自社ブランド「BULL」を中心とする各種トレーニング機器の販売が堅調だ。中古トレーニング機器の販売を通して吸収したニーズを、自社製品に反映しているためだ。今後は、市場が大きい海外市場で、さらなる成長を目指す。自社製品販売が堅調に推移する要因や今後の事業展開について、髙田社長に聞いた。

 ―中古トレーニング機器の販売からスタートしました。
 「(1997年の創業)当時の中古トレーニング機器は、安かろう悪かろうが当たり前の世界だった。その中で、当社は外観だけではなく、内部もしっかりリメイクして販売を始めた。当時はトレーニング機器のメンテナンスと中古機器の販売が経営の2本柱だった」

 ―中古機器の販売を通して蓄積したノウハウが自社商品の開発に結び付きました。
 「中古機器の販売から、ユーザーが値ごろ感と安全・安心、堅牢(けんろう)性、購入後のメンテナンスを求めていることが分かった。まず、これらのニーズを反映したバーベルやプレートなど、フリーウエート関連の製品を開発した」

 「また、日本人が効率的なトレーニングができるように、機器を日本人に合うサイズにした。ハードに使用するので高品質な素材を採用したほか、手に傷がつかないなど細部にもこだわった。デザインではなく、機能を優先して開発している」

 ―生産は海外で行っています。
 「現在、台湾と韓国、中国、ベトナムで生産を委託している。試行錯誤しながら現在の生産体制をつくり上げてきた。ただ、トレーニング機器の生産は手作業の工程が多く、人が変わると品質が変わる部分があるので難しい。受注増への対応のほか、リスクヘッジのため、生産拠点を増やしたい」

 ―受注が堅調な要因は。
 「教育機関が、学生の満足度と健康意識向上のため、トレーニング施設を設けるケースが増えている。これらの需要に対応するため、当社が必要とするものをつくれる企業を絶えず探している」

 ―これからは海外市場の開拓がポイントになりますね。
 「市場の大きい海外市場に進出するのは自然な流れだ。17年12月期の売上高見通しは9億―10億円(前期は7億円)だが、5年後をめどに国内売上高を10億円に、海外売上高を20億円にする。将来は海外売上比率を70%にしたい」
ザオバ社長・髙田敏氏

【チェックポイント】
 髙田社長は「体験しなければ分からない」をモットーに、ありとあらゆるスポーツを楽しむ。この経験を通して得られた気付きが機器開発に生かされている。こうした現場主義から生み出される高品質なモノづくりが評価され、同社のパワーリフティング(PL)器具は、日本メーカーとして初めて、国際パワーリフティング連盟(IPF)の公式認証を取得した。ザオバの商品が世界的に認められたわけだ。海外市場に本格進出する準備はすでに整っている。
(文=中沖泰雄)

日刊工業新聞2017年8月15日



国際パワーリフティング連盟の公式認証取得


 ザオバ(千葉市中央区、高田敏社長)のパワーリフティング器具が、日本メーカーとして初めて国際パワーリフティング連盟(IPF)の公式承認を取得した。基準以上の素材選定や、日本の高い溶接・塗装技術を使い、安全性と耐久性の向上を図ったことが評価されたと見られる。パワーリフティングが盛んな欧米や中東、東南アジアなど海外で大きな需要の増加が見込めそうだ。

 ザオバがIPFの承認を取得したのは、ベンチとスクワットラック(写真)。同社は2015年に日本パワーリフティング協会(JPA)から公式認定を取得し、国内大会で実績を積み重ねてきた。今回、実績を背景にJPAから推薦を受け、IPFに申請。認定を取得した。すでにシャフトとプレート、クロムカラーの承認を取得している。

 5月5―7日に南アフリカで開かれる第2回アーノルドクラシック国際競技会が国際大会のデビューとなる。高田社長は「日本のモノづくりの恩恵を受け、世界でもまれな速度で認定品になれたことに感謝する」としている。「世界基準のモノをつくり続ける」方針だ。
IPFの承認を取得したベンチとスクワットラック

2017年4月27日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
08月18日
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 過去のニュースを検索すると、菅平高原などのスポーツ合宿地に同社の機器を置いたトレーニング施設を開設し、合宿中の学生らに無料開放するといった活動も行っているようです。そうした地道なブランド認知度向上の取り組みが受注増につながっているのでしょう。

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